2025/06/12 12:09

こんにちは!

ドルクスクラブ ごん です!

 

久っっっっしぶりの投稿でございます。

仕事もそうですが、イベント出店だったり、YouTubeもやったりと充実しております(疲れますが)。

 

1.はじめに

さて、久しぶりに飼育レポートをやろうかと思います。

タイトルにもある通り、アウトブリードの重要性についてまとめていきます。

あ、ちなみにこのレポート長いですよ〜。

 

ヘラクレス羽化してきました⬇️



大きくは無いんだけどね…



測りながら撮るの難しい…

多分135upです。

 

大きくないですが、見てくださいよこの美形!




⬆️iPhoneカメラの特性を活かしたインチキ撮影法


横顔イケメンですね👍

このラインは羽化不全率0なので、優秀なラインでございます。

これについては、私は狙って作出した子です。

 

育て方についてのレポートは以前のブログにまとめてありますので、今回はマットとかの体重ではなく、どのようにして狙ったのかをまとめていきます。

 

マットとかについては、以前の飼育レポートをご覧いただき参考にしていただければと思います。

⬇️以前の飼育レポート

[https://dorcusclub.hatenablog.com/entry/2023/06/23/093847:embed]

 

2.何を狙って飼育したのか

さて、まず何を狙ったのかと言いますと、

形状

羽化不全率の減少

以上の2点を重視しました。

では形状から説明していきます。

私はヘラクレスをブリードする時、常々こう思ってます。

「あ〜、胸角が長いイケメン作りてぇな〜」と。

じゃあ大型血統飼えば良いじゃんって?

…………

……

🤔

 

そうですね。ええ。仰る通りです。

実はこのヘラクレス、大型血統がいくつか混ざってます。

それは後ほど下にまとめますね。

胸角が長いイケメンを作る為に、胸角が伸びやすい遺伝子があれば良いんですよね。

で、今回紹介しているこの子のお母さんは、Amazonico血統の遺伝子がちょっとだけ入ってます。

Amazonico血統とは、かつて飼育レコードを取った凄いヘラクレスなんですよ。

胸角がスラーっと伸びててイケメンなんですわ…。

 

と、言う訳で、どうにかしてAmazonicoの遺伝子を引き出してぇな〜と思いつつ、

まぁ、完全に引き出せなくても胸角が立派な子を作りたいなと考えていました(約2年前から)。

 

え、普通に角の長い兄弟を掛け合わせるだけじゃないの?と思う方いらっしゃると思いますが、この子の母親のラインには問題がありまして…

不全率高い

この問題点が致命的でした…。

という訳で、上記の2点目である不全率の減少が課題として出てくる訳ですね。

では、何故不全率が高いのか?という所を解明していく訳ですが、要するに遺伝子に問題がある訳です

原因の1つとして、累代障害というものがあります。

 

累代障害とは…

累代飼育(近親交配)を続けて行くうちに、羽化不全をしやすくなったり、卵を産まない等、飼育・繁殖において致命的な問題がでてくる事です。

累代障害のメカニズムは今度まとめてみようかな、と思います。

累代障害と血統作りは紙一重なので…。

 

さて、紹介している子の母は恐らく、累代障害を抱えやすいラインなのでは?と考えておりました。

兄弟と掛け合わせても産まない&不全率高い問題が出てきそうだなと…。

 

しかし、累代障害は解決策があります。

 

その1つがアウトブリードです。

 

ブリードをやってる方でインブリード・アウトブリード・クロスブリード等聞いた事はありますでしょうか?

知らない方は調べてみると色々書いてありますよ〜(話すと長くなるのでここでは割愛)。

 

アウトブリードをすると必ず解決するとは限りませんが、その際は、アウトブリードを繰り返すと累代障害はかなり無くす事は可能です。

まぁ要するに血の入れ替えです。

血の入れ替えをする事で累代障害を軽減させる事ができますよ。

なんかブリードしてるけど、羽化不全連発だな…とか産まないな…とモチベーションが下がっている方がいましたら、累代を確認してみてください。

F3を超えてると累代障害の可能性大です

 

前置きは長くなりましたが、要するにアウトブリードで不全率減少に加えて理想の形状を出したいなというワガママな目標が完成しました。

そこで大事なのが親選びですね〜。

 

3.親選び

さて、どの親を選べば良いのか…という所です。

胸角重視なら、Amazonico血統も候補に挙がりますが、累代障害の原因がAmazonicoの遺伝子の方だと、アウトブリードの意味があまり無いなと…

やはりアウトブリードをするなら完全に別血統、なんなら無血統でも良いくらいですが、ここで私が選んだのがOAKS血統のヘラクレスですね〜。



2023年7月撮影、OAKS × Amazonico混血

うわ懐かしいな〜!この後2回引っ越したんだよね!

この時昆虫ショップやるとは思わなかったよね2年前の俺。

 

話は逸れましたが、角曲がりのOAKSでも、種としては問題無いなと思いウチの子達と掛け合わせました。

ウチの子のアウトブリード3ライン

OAKSのインブリード1ライン

計4ライン組みました。

 

♂親がFreeサイズですが、約130mm程だったと記憶しています。

︎︎♀が70mmで、Amazonicoが1/4程混ざってます。

つまりクオーターですね🤔

そこで、生まれてくる子達の遺伝子はどうなるかと言いますと、

OAKS:1/2、Amazonico:1/8、その他:3/8

といった配分ですね。

OAKSの太い遺伝子と、Amazonicoの長い胸角が合わさるとどうなるかワクワクしながらブリードしてみました。

 

結果としては、

そんなに甘くないという結果ではありましたが…。

 

 

 

4.アウトブリードの弱点

さて、結果はそんなに甘くないと言いましたが、4ライン組んだ内、アウトブリードは3ラインでしたが、3ラインとも不全率の減少には成功しました。

しかし、形状は理想からとても近いとは言い難いものでした。



写真が無かったので代用ですが、こんな感じの何とも普通な子が3ライン中、2ラインだったんですよね…

やはりアウトブリードの弱点が出てきましたか…

 

アウトブリードの弱点とは…

平均化です。

どういうことかと言いますと、血統の特徴が薄くなるんですよね。



写真上:110mm、写真下:155mm(相当)

このラインは別ラインです。

写真下のラインは最低130mm、最大155mm(相当)でした。最初に紹介した子は写真下の兄弟です。

 

程よく胸角が太く、スラッと伸びた理想に近い形状の子は写真下のラインでしたね。

 

アウトブリードをすると、累代障害は軽減されるものの、平均的な子が生まれてしまう欠点があります。

平均的な事は悪くは無いんですけどね…健康な子である事が多いので。

 

ブリードをする上で、このような発展途上みたいな子ができる事はよくあります。

お店で出回っている立派な子(血統)というのは、こういう発展途上の子ではなく、更にブリードをして理想的な子に近づけてあるものばかりなんですよ。

つまり血統作りっていうものは大変なんですよね。

 

しかしながら、ブリードを長く続けるにはアウトブリードは無くてはならないものなんです。

それは下にまとめます。

 

5.アウトブリードの重要性

さて、表題にあるアウトブリードの重要性ですが、メリット、デメリットがそれぞれあります。

 

メリット

・血の入れ替え

血を入れ替える事で、インブリード(近親交配)における累代障害を軽減し、健康的な子を作る。

 

デメリット

・血の平均化

他の血が混ざる事により、親の特徴を受け継いだ子が生まれにくい

 

しかし、このデメリット、場合によってはとんでもないメリットにひっくり返ります。

それもまとめていきますね。

 

そもそも、子の遺伝子は父親の染色体と母親の染色体を半分ずつもらって生まれてきます。

 

ちなみにですが、染色体の中に、いわゆるDNAというものがあり、DNAの一部を遺伝子というんですよ。

 

染色体を半分ずつもらう関係上、親の特徴が薄れる訳です。

つまり、平均化もする訳なんですが、この染色体の組み合わせによっては、親の特徴を超える事もあるんです。

それが先程挙げた胸角が太くてスラッと伸びる最初に紹介した子なんですよね。

私はこれを遺伝子の化学反応と呼んでいます。

造語なので通じないからね!?

 

アウトブリードは何が起こるか分かりませんので、数を抱えないといけないのも欠点ではありますし、理想から遠のくとモチベーションが下がるかもしれませんが、理想の形状が出た時の喜びも大きいですよ👍

 

皆さんもこの記事を元に、アウトブリードをしてみてはいかがでしょうか。

 

ここまで読んでくださり、誠にありがとうございました。

ホントはもっと書きたいことあるんですが、すみません割愛します。

 

それでは皆さんも楽しいクワカブライフを送ってください!

 

ではまた👋